気候の変化に合わせて心身も変化
今回の調査を受けて、日本東洋医学会漢方専門医で、埼玉医科大学・非常勤講師の齋藤晶氏は、気象の変化による「なんとなく不調」への影響に関し、「気象の変化だけでなく、実は日照時間も影響します。日光を浴びる時間が短くなると体内時計のリズムに影響し、睡眠障害や気分の落ち込みにつながるのです」としたうえで、さらに次のように説明する。
「漢方医学では、寒い、暑い、湿度が高い、乾燥しているなどの気候の変化に合わせて心身も変化すると考えます。(中略)いつもと異なる気象の変動があるときは、その変化に心身が追い付かず不調につながります。例えば、低気圧が接近すると、本来は貯留しないような体の部位に水がたまる状態となり、これを漢方医学では『水毒』と呼びます。頭痛、体が重い、むくみ、胃でポチャポチャ音がする、めまい、関節の痛みなどはいずれも『水毒』と考えます。これらの症状に対する漢方薬を服用することにより、症状が改善する場合があります」
「なんとなく不調」の対策としては、以下のように指摘している。
「十分な睡眠、適度な運動、規則正しい食事は、いずれも対策の基本です。例えば、梅雨や低気圧が接近する前の不調に対しては胃腸の機能が低下しないように、冷たい飲食物を多くとることをさける、運動などで汗をかくなど、四季に合わせた対策も大切です」
「体調不良があれば医療機関を受診し、重篤な病気が隠れていないかを調べることは大切です。漢方医学では、西洋医学が比較的苦手とする体力を補う、体を温める、気圧の変化への対応などの治療が可能です」
なお、この調査は2024年11月25~26日、全国の20~60代の男女3000人(男女各1500人ずつ)を対象にインターネットで行った。