今後の成長戦略の「3つの柱」に注力
同社の「Looopでんき」は16年に始まった。現在の事業規模は、電力ユーザー数が約34万件で、売上高500億円。独立系新電力会社の中では、低圧電力の供給量がトップだと説明する。28年までに、電力ユーザー数100万件、売上高1000億円を目指し、新電力全体で低圧供給量トップを目指す。
中村氏は、今後の成長戦略として3つの柱を掲げた。それは、(1)再生可能エネルギー電源開発/系統用蓄電池事業の強化(2)電力小売事業・顧客体験アップデート/スマートホーム事業への参入(3)デジタルプラットフォーム/システム基盤の強化――の3つの取り組みだ。
まず(1)について、「供給力を安定的に確保し、昼間の余剰電力を捨てずに活用するための発電と蓄電を設計・開発する体制を充実していきたい」と語る。同社では、埼玉県内で系統用蓄電所の運転を25年2月に開始。昼間の余剰太陽光を蓄電し、需要供給バランスを調整している。この形態の蓄電池を全国的に展開していく方針だ。
(2)については、「Looopでんき」がすでに導入している市場連動型料金プランの特徴を説明した。このプランは、電気料金の単価が市場価格と連動して変化する。需要が少ない昼間の安い電気を使うことで、利用者の電気代削減や社会貢献につながるという。さらに、スマートホーム事業に参入したり、「Looopでんき」アプリを拡充したりする予定だ。
最後に(3)については、日本のエネルギーインフラを変えるために、テックに強いインフラ企業を目指すと展望を述べた。優秀なエンジニアを積極的に採用するなど、50~60人の規模で世界中の人材を採用するとしている。