血糖値を下げる助けにもつながるCGM
インスリン治療をしているなど一定の条件を満たしていれば保険が適用されるCGM。これを使うことで血糖値は下がっていくのだろうか。
これについても調べた研究がある。インスリンで治療中の(主に自己免疫が原因で起きる)1型糖尿病の患者を対象に、CGMを使うグループと、指先から採血して測るグループで、ヘモグロビンA1cの値がどう変わるかを比較したのだ。するとCGMを使った方が、ヘモグロビンA1cは0.5%低下することが明らかになった。
もう1つ判明したのは、CGMの装着によって患者が治療に前向きになれるということだ。主に遺伝的要因や生活習慣病が関与する2型糖尿病患者を対象にした意識調査(創新社、2025年9月実施)によると、「糖尿尿の治療をやめたいと思った理由」を尋ねたところ、1位は「治療にかかる費用」(75%)。2位は「食事をバランスよく健康的な内容になるよう気をつけ続けないといけないから」(67%)であった。
綿田医師によると、日本糖尿病学会は、肥満のない人にはカロリー制限は必要ないとしているが、患者さんの中には、食事の量を減らさなければいけない、という固定観念があるのではないかと指摘する。
「それに対しCGMを用いている患者さんは、血糖管理がうまくいっていると感じる割合が高いことがわかったのです。食事・運動・睡眠と血糖値の関係性がCGMのデータで把握しやすいため、治療をしながら日常生活を送ることに前向きなところもみえてきました」
CGMを使って糖尿病患者さんの食事療法を手がけている下北沢病院栄養科科長の石田千香子さんはこう話す。
「糖尿病の患者さんの中には、食事療法は食べる自由を奪われる、我慢しなければというネガティブなイメージをもっておられる方がいます。基本的に食べてはいけないものはなく、量や食べ方の工夫で調節できる場合もあります。たとえば食べる量の調整ならば、たんぱく質や野菜を最初に摂ってからご飯を食べる。その際、ゆっくりよく噛んで食べることを心掛ける。そうすることで血糖値に変化が見られるケースがよくあります」
石田さんは食事の写真をとってもらい、CGMの測定結果を照らし合わせることで、よりきめ細かな食事指導ができるという。
今回の記者発表では、俳優の藤岡弘、さんと石田さんが共同開発した「糖尿病の患者さんのための食事レシピ」メニューが2品紹介された。藤岡さんはコラボメニューについて次のように話した。
「普段作っている料理をもとに開発しました。自分にとっても未知な挑戦で話をいただいたときは驚いたのですが、今回はなんとか自信のある料理が考案できたと思っています」
現在、世界中に5億8900万人もの糖尿病の成人患者がいるとされる。それが今後25年間で8億5300万人に増加するという予測がある。CGMの役割はますます大きくなりそうだ。