日本人男性の性機能、30年間で著しく変化・低下 - 性交渉回数と勃起機能に顕著な減少

一般社団法人日本性機能学会の調査により、日本人男性の性交渉回数と勃起機能が、過去30年間で全世代において著しく変化・低下していることが明らかになりました。
概要
一般社団法人日本性機能学会は、25年ぶりとなる日本人男性の性機能調査を実施し、現在の性機能、性生活の状態を明らかにしました。この調査結果を基に、30年間の日本人男性の性機能変遷が明らかとなり、国際学術誌『International Journal of Urology』に掲載・承認されました。1991年の調査データと2023年の最新データを比較分析した結果、この30年間で日本人男性の性生活および勃起機能が全世代において著しく変化・低下していることが判明しました。
調査結果のポイント
今回の調査では、30年間の比較から「三つの変化」が浮き彫りになりました。
性交渉回数の著明な減少:月1回未満の性交渉(セックスレス)の割合は、20代を除くすべての年齢層で有意に増加していました。特に30代後半から50代にかけて顕著な変化が見られました。
勃起硬度の低下:挿入に十分な硬度を得られない男性の割合は、ほぼ全世代で有意に増加していました。これは加齢現象だけでは説明できない世代的変化を示唆しています。
朝立ち(夜間勃起)の自覚低下:「朝立ちを全く自覚しない」とする割合は、全年齢層で有意に増加していました。これは生理的勃起機能の指標であり、潜在的な性機能の変化を反映している可能性があります。
本研究の意義
本研究の重要な点は、性交頻度の低下と勃起機能の低下が並行して進行していることを、30年間のスパンで初めて明確に示したことです。器質的要因としては、肥満傾向の進行や睡眠時間の短縮、睡眠障害の増加が関与している可能性が考えられます。また、ライフスタイルや社会環境の影響も大きく、身体活動量の低下、ストレスの増加、インターネット環境の普及などが指摘されています。特に若年層における変化は注目すべき点で、デジタル環境や生活様式の変化が性機能に影響を及ぼしている可能性が示唆されます。中高齢者においては、パートナーの要因や男女間の性意識の乖離も影響している可能性があり、カップル医療としての包括的アプローチが重要となります。
まとめ
本研究は、日本人男性の性行動および性機能がこの30年間で大きく変化していることを示しました。性交頻度の低下と器質的性機能低下が並行して進行しているという結果は、少子化への影響、生活習慣、全身疾患、パートナー要因を含めた包括的診療が求められることを示唆しています。