2019年 12月 15日 (日)

中島みゆき、「歌旅・縁会・一会」
平成最後の師走に聴く12曲

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「世情」、なぜ今、この曲なのか

   ライブが選ばれている三つのツアーはそれぞれ性格が違う。2012年から13年にかけて行われた「縁会」は、従来のコンサートツアーが「夜会」に準じて「縁会」と名付けられたもので震災後初のツアーだった。更に、2015年から16年にかけての「一会」は「今、聴いてほしいうた」というキャッチフレーズがついており、これまで余り歌われたことのない曲が中心。どれもその時代の彼女の心境や音楽に託そうとしたものが感じられる内容となっていた。

   「中島みゆき ライブリクエスト-歌旅・縁会・一会」には「歌旅」から3曲、「縁会」から5曲、「一会」から4曲の計12曲が選ばれている。

   どの曲がどのツアーだったかは一種の「出典」という意味合いが強いかもしれない。違うツアーから選ばれたものであるものの、一つのコンサートとして流れている。それぞれの曲がなぜ選ばれているかを想像することで聴き方の楽しみが倍加するはずだ。

   例えば、一曲目の「もう桟橋に灯りは点らない」は、ツアー「一会」の一曲目だった。94年のアルバム「LOVE OR NOTHING」の中の曲だ。でも、聴きながら思い浮かべるのは時の流れの中で切り捨てられ姿を変えてゆく地方都市の様子だろう。今年もそうだったように平成という元号は日本列島が災害に見舞われた時代として残るのかもしれない。なぜ、今、この曲なのか。このベストが平成最後の年末に発売されたことは偶然ではないはずだ。「縁会」ツアーで27年ぶりに歌われた「世情」は、まさに今の歌だ。

タケ×モリ プロフィール

タケは田家秀樹(たけ・ひでき)。音楽評論家、ノンフィクション作家。「ステージを観てないアーティストの評論はしない」を原則とし、40年以上、J-POPシーンを取材し続けている。69年、タウン誌のはしり「新宿プレイマップ」(新都心新宿PR委員会)創刊に参画。「セイ!ヤング」(文化放送)などの音楽番組、若者番組の放送作家、若者雑誌編集長を経て現職。著書に「読むJ-POP・1945~2004」(朝日文庫)などアーテイスト関連、音楽史など多数。「FM NACK5」「FM COCOLO」「TOKYO FM」などで音楽番組パーソナリテイ。放送作家としては「イムジン河2001」(NACK5)で民間放送連盟賞最優秀賞受賞、受賞作多数。ホームページは、http://takehideki.jimdo.com
モリは友人で同じくJ-POPに詳しい。

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