2019年 8月 18日 (日)

仕事への無関心が経営の大敵 「その道の達人」を目指して

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■「センスメイキング 本当に重要なものを見極める力」(クリスチャン・マスビアウ著、プレジデント社)

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   著者は、デンマーク生まれ。ニューヨークでビジネスコンサルタントをしている。第四次産業革命が進行する中で、自然科学的思考法が優位になりすぎていることに警鐘を鳴らす。論理的思考法として、日本では、帰納法と演繹法の二つが広く知られているがもうひとつある。Abduction(仮説を形成して推論する方法)。ひらめきによって仮説を立てるAbductionの重要性を筆者は説く。

優れた管理職や経営トップは「現象学」の手法を用いる

   米国の大企業や政府機関のトップには、心理学、英文学、歴史学などを専攻した人物が多くいる。データや客観的事実に頼るのではなく、人間の感情という文脈や、自らの関心や情熱に頼って仮説を立てるのである。

   そのひとりがジョージ・ソロス。ロンドン大学での師は哲学者のカール・ポパーであった。幼いころ戦争をまのあたりにしたソロスは、縄張り争いや傷ついた自尊心などが世界を動かすことを強く感じていた。ソロスはデータから得られる知識に加えて財務大臣の心中に思いをいたし、投資を実行する。

   Abductionの能力を培うには、現象学という学問領域が役に立つ。

   実践知が豊かな人間は、ルールやモデルに依存するのではなく、目前の境遇や状況に応じて理解し行動に移すのである。まるでプロゴルファーのティー・ショットのように。優れた管理職や経営トップは、社員のモチベーションを高めるために、現象学の手法を用いている。感情と知性の双方を駆使して組織に関わる。そのときのキーワードは「共感力」。とくに重要なのは分析的な共感力。人文科学や社会科学の理論に目前の状況をあてはめて、ひとつかふたつの理論を用いて洞察するのである。

【霞ヶ関官僚が読む本】現役の霞ヶ関官僚幹部らが交代で「本や資料をどう読むか」「読書を仕事にどう生かすのか」などを綴るひと味変わった書評コラムです。

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