2024年 4月 26日 (金)

海がプラスチックで窒息寸前 環境マンガ家が見た3つの大問題

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ホッキョクグマが人里にやってくる

――3つ目「迷走する生物」。魚の話ですか。

本田:もちろん、魚もそうです。近年、不漁を伝えるニュースがよく出ていますよね。特に、値上がりが報じられているサンマはかつて茨城県で「バケツ一杯1000円」で売っているのを見かけるほど安値でした。地球温暖化で海水温が上がったり、海流が変わったりしたことで、これまでとは違うエサ場に移ったのではという指摘もありますが、「漁船」の進化も原因の一つではと見ています。

――どういうことですか。

本田:船がより高機能になれば、今まで行けなかった遠くの漁場に出て、たくさん魚を捕れるようになります。国際的に決められた国別の漁獲枠があっても、ある国がルールを守らずに乱獲すれば別の国が不漁に見舞われますし、生態系にも影響が出ます。食物連鎖が崩れると、やむなく住む場所を変える魚も出てくるでしょう。枠を定めるだけでなく、それらが守られるようにしなければならないですよね。

――魚以外の生物ではどうでしょう。

本田:ホッキョクグマを例に出しましょう。
ホッキョクグマは氷の上から、アザラシを捕ります。氷に開いている穴から顔を出したところをつかまえたり、上に乗って移動したりするので、氷が溶けてしまうと狩りがしにくくなる。アザラシを捕れなくなると食べ物を求めて、人の住む場所にやってきてしまうんです。

――ちょっとした変化が複雑に絡み合い、思わぬ形で現れますね。

本田:海にあるごみのほとんど全てが陸で生じているように、あらゆる環境問題は人に原因があります。一人ひとりができることはまさしく「ちょっとした」アクションですが、全員でやれば大きな結果につながります。例えば節電やごみの分別、残さず食べること、これらを徹底するだけでも「海の健康」に寄与します。今日からでも心がけたいですね。
2022年2月8日追記:誤りがあったため、本文を一部訂正いたしました。
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