「不器用なら余分に考えろ」 「三ツ星」の握り誕生の秘密

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   “すきやばし次郎”といえば寿司好きなら一度は訪れたい名店であると同時に、超がつくほどの高級店としても知られている。もちろん私なんぞ行ったこともない。ミシュラン東京で最高点をとったことで、巷でその名を知らない人はいないだろう。今回の「プロフェッショナル 仕事の流儀」は、時の人と言っても過言ではない御年82歳、“3つ星板前”小野二郎その人である。

   ネタの仕込み方など彼の仕事で特筆すべき点は多い。その中でもやはり独特なのは“二郎握り”と呼ばれる独特な握り方だろう。シャリのまわりだけを固め、中はふわっとさせる。それは食べたら「まるで口の中で雲のように広がって、爆発するみたいだ」と表現する人もいる。だがその独特の技は、なんと彼の“不器用さ”から生まれたものだという。昔、伝統的な“本手返し”で握るよう修行してきたのだが、彼はそれが上手くできなかった。そんな中、ある日彼の手が無意識に違う動きをしたという。そうして生まれたのが二郎握り。不器用だからこそ、ひたむきに修行したからこそ生まれた技なのだろう。「不器用だから余分に考えますよね。みんなが1考えるのに3も4も考えるわけでしょう。だからこそ考えが深くなっていくんじゃないかと思いますけど」

   ところで、次郎はカウンターの中では寡黙だ。握るのに精一杯だという。ネットで調べても「無愛想だ」等の書き込みが多い。それについて彼はどのように思っているのだろう。「よく言われるんです、無愛想だって。でも無愛想でも握りのおいしい方がいいかなって思ってるんですけどね(笑)」。すばらしい自信の表れである。その握りを頑固親父が死ぬ前に絶対に食ってやる、画面の前で一人誓ってみた。

文   慶応大学・がくちゃん
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