安田美沙子と「出会い系」 結果は「残念」
フジでヤングシナリオ大賞を受賞した「今日は渋谷で6時」という熊谷純の作品をドラマにしたのを見た。この賞はもう19回目で、野島伸司を輩出するなど有名なもの。ドラマには、安田美沙子や塩谷瞬、伊藤正之たちが出てた。
筋は現代風だった。「出会い系」で会う約束した男女が相手を間違えて一騒動がある。オタクや自殺願望のサラリーマン、売れないアイドルなどが登場人物。
近頃のドラマは漫画を原作にしたものが多く、ドラマ脚本の世界の人たちにドラマらしいドラマでがんばってほしいと思い「頑張れ」と応援するつもりで見た。
ところが残念ながらがっかりする内容だった。俳優陣はそれなりにがんばってたけど。とにかく話の展開がすぐに読めるし、意外性がなかった。一言でいうと、人間の描き方がパターン化し過ぎてるということに尽きる。人間を記号化して、ニートはこういう人間で、サラリーマンはああいう人間で、ってな具合に単純にしか描いていない。ニートといってもいろんな考え方の人がいるし、置かれている事情もそれぞれ異なるというのが現実だ。また、同じ1人の人間も自分の中に複雑な思いを抱えているものだ。
ドラマは登場人物たちが「成長」していくパターンだったけど、それぞれの人物が単純過ぎ、見ていても「その程度のことで人間が急に変わるかよ」と突っ込みたくなる内容だった。
複雑な面を持っている人間をじっくり描こうとしない最近のドラマ潮流に毒されてると感じた。
この賞ももう「19」と回を重ねてきてるけど、近頃は年々レベルが下がって貧弱になってる気がする。残念なことだ。
継続は 力なりとは いかぬ作品