「日本」は売られるのか 海外投資家の不満
「閉鎖」に嫌気
また、日本企業78社に投資している米投資運用会社の「ダルトン・インベストメント」のジョージ・ロブリーも閉鎖的な日本企業に辟易している1人。
ロブリーは「日本人の経営者に意見交換を呼びかけても会うことすら拒否する。投資家に会いたくない企業はそもそも上場すべきでない」と、憤慨する。
こうして閉鎖的な日本企業に嫌気がさす投資家が急増する一方、「改革開放を!」と訴える海外投資家も出ている。
英大手資産運用会社の『ハーミーズ』の幹部が来日し5月15日、日本企業に改革を迫る異例の記者会見を行った。その席で、米大手機関投資家のカルパースら6社が名を連ねた提言書が配られた。
それによると、日本企業は株主ではなく、経営者のものになっているとしたうえで(1)買収防衛策が経営者の保身に使われている(2)社外取締役が少ないため外部のチェックが働かない―とし、改善しなければ、海外投資家は日本企業を見放すだろう、と警告した。
グローバル化した経済のなかで、公正な競争を阻害しない限り国際M&Aは必然的な流れといわれている。
ところが、いざ「黒船」となると慌てふためき、もはや「遺物」とばかり思っていた株式持ち合いの復活だ。
キャスターの国谷裕子は「海外の動きにどういうふうに向き合えばいいのでしょうか?」との問いに経産省の「企業価値向上のための研究会」委員をしている東大教授の柳川範之准教授は次のように指摘する。
「逃げずに海外投資家に十分説明、説得する。でないと、資金も、人も情報も集まらなくなり、日本の地位はますます低下しますよ」。
モンブラン
*NHKクローズアップ現代(2008年6月9日放送)