中国、「不満」取材を制限 大地震が浮き彫りにしたもの
2008.06.12 17:05
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充分ではない連携
綿陽市から佐藤文隆記者は、「連携は充分でない。援助する省は中央から課せられたノルマの達成に懸命で、現地と将来について充分な話もできないでいる」と現状を伝えた。
国谷裕子は、「被災者には、先が見えない不満があると思うが」と聞いたが、佐藤記者は、「住民は、地方当局が充分に努力していないと感じている。中国政府はこの不満が中央へ向くのが恐い。国営テレビは被災者の不満を一切伝えておらず、われわれも学校や遺族への取材を妨害されるようになった」という。
興梠教授も、情報管理には首を傾げたが、地方政府の助け合いについては、「地方同士なのできめ細かくできる。支援物資の分配がきちんとできるだろう」と期待する。
たしかに、富めるものが貧しいものを支援するというのは、あまり聞いたことがない。沿海部の発展は貧しい内陸部に支えられているのだから、という視点も新しい。というより、あまり中国的ではない。地震が中国を変えることになるのだろうか。興味ある実験かもしれない。
ヤンヤン
<メモ:中国の出稼ぎ>
いま中国経済の3、4割は出稼ぎが支えているといわれる。しかし、中国では戸籍が、都市と農村では別になっているため、移住はしにくい。もし子どもを連れていっても、教育など社会的な保護を受けられないことになる。それと所得の格差が、家族離ればなれの出稼ぎが多い理由だ。
* NHKクローズアップ現代(2008年6月11日放送)
文
ヤンヤン