地滑り大規模になった「条件」 「開拓地」の悲劇
2008.06.17 19:21
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東京ドーム40杯分の土石
ところで、国土地理院は栗原市の荒砥沢ダム上流の大規模な地滑りについて、高さで最大148メートル、崩落した幅は最大1キロにわたった発表した。この大崩壊で、東京ドーム40杯分の土石が崩れたという。
なぜ、大規模な崩壊が起きたのか? 東大生産技術研究所の小長井一男教授は「もともと軽くてもろい火山灰が堆積した地盤。それが雪解けの水を多量に含んだ所へ地震が直撃、滑るように次から次へと崩れていったのでは」という。
それほどもろい地盤で地震が発生すれば、ひとたまりもない。ところがこの地域は当面、地震はないとされていた。
専門家は、大都市圏の地震にばかりに目が奪われ、山間部の地震はノーマーク、国や自治体も虚を突かれた感じだったのでは……。
梅雨の後には台風の季節を迎える。沢に流れ込んだ土砂が、水をせき止め洪水の危険もある。
番組でも触れていたが、今後、山間部から避難してきた被災者たちの生活をどう支援するか。また、何とか耕英地区に戻りたいという被災者たちの希望を実現するにはどうするのか。大きな課題が待っている。
モンブラン
<メモ:岩手・宮城内陸地震>
2008年6月14日に発生、マグニチュードは7.2だった。1995年の阪神大震災のような「直下型」地震で、山間部に大きな被害をもたらした。16日には死者10人目となる遺体が見つかり、安否不明者の捜索が続いている。
*NHKクローズアップ現代(2008年6月16日放送)
文
モンブラン