2024年 5月 6日 (月)

バイオ燃料「ひんしゅくの嵐」 すると遺伝子組み換えが…

「危うさは?」

   ここで話は日本側に移る。トウモロコシの94%、大豆の79%の輸入をアメリカに頼る日本もこうした現実に向き合わざるを得ない。「消費者の抵抗感が強く、遺伝子組み換えをしたトウモロコシは食用にほとんど使われてこなかった」(ナレーション)が、ビールなどに使われるコーンスターチメーカーはすでに導入に踏み切っている、と伝える。

   国谷キャスターが「危うさはありませんか?」と尋ねると、茅野教授は「いくら遺伝子組み換えのものといっても、天候異変に対抗できるわけではない」と答えたが、質問は、「遺伝子組み換え食品自体の危うさ」についてではなかったか。

   おそらく生放送を原則としているのだろうが、キャスターとゲストの受け答えが噛み合わなかったり、ゲストの発言が聞き取りにくかったりする場合もある。緊迫感を漂わせたい意図はわかるが、視聴者優先で一考を願いたいところではある。

アレマ

   *NHKクローズアップ現代(2008年7月3日放送)

   <メモ:バイオ燃料とアメリカの政策>

そもそもバイオ燃料はCO2削減、エネルギー政策(中東依存を修正する)、農家支援(トウモロコシの価格低迷に苦しむ農家を支える)の「一石三鳥」(国谷裕子キャスター)を狙って推進が図られた。なかでも、2005年にブッシュ政権が掲げた「エネルギー政策法」が決定的な役割を果たした。「バイオ燃料の生産を増やす。だから大いに使おう。使えば、減税対象にする」というものだ。

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