EU大丈夫なのか 「小国の反乱」のインパクト
2008.07.15 20:30
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グローバル化に対応できるさらなる拡大と統合を模索するEU。新たな条約を2009年1月までに批准し、発効する予定になっていた。しかし、EU全体のわずか1%に満たない人口(430万人)の小国・アイルランドの反乱で大揺れに揺れている。
だからといってEU が「分裂への序章」を歩み始めたわけではない。番組に出演した慶応大学大学院の庄司克宏教授は「今は危機、ターニングポイントだが、成功モデルに変えるチャンスでもある」と、前向きにとらえている。
アイルランドが「否決」
EUの新しい条約とは「リスボン条約」。アイルランドが08年6月12日の国民投票で、この条約の批准を否決したのだ。
安い法人税を武器に外資導入策を推進し、1990年代後半から2000年まで年率10%の高度成長を遂げ、それ以降も年率5%の成長を続けている アイルランド。EUの優等生と言われてきた。そのアイルランドがなぜ条約に拒否を?
番組によると、最大の理由はフランスやドイツなどの大国のなかで、小国である自国が埋没してしまう恐怖。
2つ目は、安全保障面で伝統的に中立主義の立場をとってきたアイルランドが、EUの軍事作戦に組み込まれることへの不安だ。
3つ目は、リスボン条約の中身そのものが難しくてよく分らないことも、反対派が増えた理由になっている。