いい仕事するには「遊ばせてもらわなあかん」

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   今回の「プロフェッショナル 仕事の流儀」ゲストは、千利休の茶道の心得「一期一会」を自分の仕事の流儀にした男だ。お茶の席には欠かせない『菓子』を作るプロ・山口富藏。神社仏閣や茶道の家元からも絶大な信頼を得ている。

   番組では碁の愛好家が茶会を開くため、山口のもとを訪れるシーンが放送された。相手のイメージをくみ取るため、山口はとことん客と話し合う。話は正倉院にある聖武天皇が使ったと言われる碁石に。それをモチーフに砂糖で作った干菓子を作った。

   次に話が向かった先は、ある古典文学。その中に十二単を着た女性が碁を打つシーンが出てくる。山口は部屋を出て、店の倉庫に向かう。物語の原典をひもとき、碁を打つ時の袖口をイメージにしたものを制作。シンプルだが重なった曲線がとても美しい。薄い紫と白のお菓子。客も満足した様子。

   今回の客は一見の客。しかし山口は上顧客・一見に関係なく仕事を行うという。「一期一会」。なじみの客でも初めての客でも、菓子との出会いはその時だけ。一度の出会いだからこそ、いかに人の心を楽しませることができるか。「僕らの商売はね、食べてしまったら消えますやん。だけどそれだけに、一つ一つ心してないと。口にするのは容易ですけど」。

   一つ一つの仕事はその時だけの出会い。だからこそ、いい加減な仕事はできない。この精神は心に留めておきたい。

   さて、伝統を守りながら新しいものを作っていくのは大変なことのように思う。MC茂木が問いかけた。

   答えは「お菓子作ろうとおもたらあかん。美術館に行っていろんなもんをぼけーっと見て歩いてるとか、遊ばせてもらわなあかん」。

   食べておいしい、だけではダメ。味の前に外見があるからこそそのお菓子を愛でることができる。美しい仕事をするためには、遊びが必要なのだ。

慶応大学 がくちゃん

   *NHKプロフェッショナル 仕事の流儀(2008年9月9日放送)

文   慶応大学・がくちゃん
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