医者も知らない「薬の副作用」 周知が必要だ
2008.10.02 15:49
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米国ではコンピューター画面に警告
大内尉義・東京大学大学院教授に国谷裕子が「どんな薬がどんな副作用をするのか」と聞いた。
大内教授は、抗ガン剤、睡眠薬(ふらつき)、血圧の薬(めまい、失神)、鎮痛薬(急性胃潰瘍)などをあげ、「代謝機能の衰えで、適量だったものが過量になる。また高齢で水分量が減るので、血中濃度が高くなる」という。これらは「高齢化で初めてわかってきたこと。医師もこれまで、高齢者を成人の延長と考えてきた」と。
そこでいま、「副作用が出やすい薬のリスト」を医療の現場で活用する方策が進められている。リストには、睡眠薬や精神安定剤など45種類が載っており、各地で研修会を開いて普及をはかっている。これまでの処方を見直す手がかりだ。
この問題で先進のアメリカは徹底していた。ピッツバーグ大学病院では、薬剤部が処方箋の全てをチェックし、高齢者の副作用が疑われる薬には、コンピューター画面に警告が出るようになっている。薬剤師はそこで患者のデータを検討し、問題があれば医師に伝えるのだ。
大内教授は、「日本でも連携は進んでいるが、ここまでシステマチックにはいってない。これからだ」というが、課題はまだまだ多いとも。
たしかに、薬をやめたら体調が戻った、という話はよく聞く。そのリストや知識は、医師への周知はもちろんだが、一般人にも必要なものだろう。
ヤンヤン
*NHKクローズアップ現代(2008年10月1日放送)