2024年 4月 30日 (火)

王監督に若い人がついていった訳

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「世界記録。彼はそれをひけらかさない」

   王大好き少年だったという齋藤孝・明治大学教授は、「まずは一本足打法。監督としては、情熱、それに言葉」という。とくに選手とのコミュニケーションの仕方に多くのものを見た。その例として、辞任会見でいった「ときめき」をあげた。「50年経った今もまだもっている、その新鮮さに選手達が惹かれていった」「今の若い人は、偉い人よりも自分たちと一緒に熱くなってくれる人を求めている」と。

   マンガ「あぶさん(ホークスの強打者)」で、王監督を登場させている水島新司は、監督とラーメンを食べたとき、3口半で食べるのに驚いた。すると、「ボクはラーメン屋のせがれですよ」。

   「これでマンガの台詞がくだけてきた。それが王貞治。だから、王さんが辞めるときは、あぶさんもやめると決めてた。王さんはダメというでしょうけど」

   「菊とバット」などの作家、ロバート・ホワイティングは、昨年バリー・ボンズが756号の大リーグ記録を作ったとき、「本当の世界記録は王だ。しかし彼はそれをひけらかさない」と書いた。「王さんは、たまたま日本で沢山打った。それが世界記録かどうか語るつもりもないという。この謙虚さに日本人は魅せられる。良識、倫理観の指針のような」という。

   斎藤教授も、「絶対的な安心感。お父さんみたいな。それと絶対に折れない心を読んでほしい。普通は選手を応援するが、彼は日本を応援していた」といった。

   そう、この人は現役時代からいつも控えめで、地味で、優等生。要するに、長嶋、野村克也、星野仙一みたいに、マンガになる人ではなかった。最終戦は、その野村監督との対戦だった。負けた方が最下位になる。2人並んで「負けたくないね」と笑っていたのが、心に残る。

ヤンヤン

   *NHKクローズアップ現代(2008年10月8日放送)

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