独米の飛行機が「台風」に突っ込む その目的は…
2008.10.21 18:36
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観測のツボに「カギ」が
この苦い体験を基に中澤らが導き出したのは「台風が進路を大きく変える領域に、方向を左右する特定の風や気圧があり、進路に大きな影響を与えているのではないか」という仮説だ。
この「観測のツボ」というべき、台風の急旋回しそうな領域に飛行機を飛ばし領域のデータを集め解析するしかない、というのが今回の研究のテーマ。
で、その日がやってきた。冒頭のフィリピン沖で発生した台風13号。「ファルコン」と「ハリケーンハンター」が風速50メートルを超える激しい暴風の中を縦横無尽に飛び回り、気圧や気温を測るセンサー入りのゾンデ87個を落下させ、ゾンデから送られてくるデータを逐一受信した。
その結果、13号の急激な進路変更の予報に成功した。従来の観測データでは、やはり中国上陸を予測していたという。
国谷キャスターは「観測のツボのあたりに方向を決める何らかのカギがありそうで、ツボの想定がまずポイントになりますね?」と。
このプロジェクトを主導している京都大の余田成男教授は「そのポイントを今後の研究で解き明かしていきたい」という。
太平洋上で発生する台風がアメリカ西海岸の異常気象の原因だとする研究も同時に進められている。毎年、台風に苦しめられる日本としては成果を期待したい。
モンブラン
*NHKクローズアップ現代(2008年10月20日放送)