「荒廃」マンションが介護施設に 「住宅づくりに思想性が問われる」
2008.11.21 15:39
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親、子、孫3代で払うローン
また国交省は来08年度初めて、改修に補助金を出す方針を固めた。総額1000億円。いまあるマンションをどう活用するか、が動きだす気配だ。
一足早く、ワンルームマンションを介護施設に改装したケースがあった。NPO法人「くらしのネット」がつくったもので、1階はデイサービスセンター。2階からは高齢者向けの賃貸マンションで、バリアフリー、エレベーターもつけた。新たに建てる半分の費用ですんだという。
過剰供給の悪質マンションがある一方で、不足している部分がある。集合住宅の活用で、この穴を埋められたと、NPOは胸を張った。「地域の公共財」という発想だ。
内橋は、「在宅介護もままならない現状では、この発想は大事だ。いま住宅づくりには思想性が問われている」と、かつての旧西ドイツの例をあげた。
戦後のアデナウアー首相が出したアイデアは、「無利子の100年ローン」。親、子、孫3代で払う。社会のルールもきちんと整備する。当然、財産権の考えも違ったものになる。「住宅を見れば、その国がどんな国か、どんな社会かがわかる」と。
ほとんど無軌道な自由と、それを抑える禁止事項で成り立っている日本の住宅づくりを、あらためて考えてしまう。
ヤンヤン
*NHKクローズアップ現代(2008年11月20日放送)