「正しい」歴史観と 「正しい」シビリアンコントロール
2008.12.10 18:55
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背景に与党政治家からの影響?
番組の調べによると、田母神論文の原点は2002年に確認されたという。選りすぐりの幹部自衛官が学ぶ統合幕僚学校の校長に就任すると、その直後に「歴史観・国家観」なる講座を新設。今も続くその講座は自衛隊としては前例のない内容で、「大東亜戦争史観」「東京裁判の本質」「現憲法及び教育基本法の問題点」など、論文と親和性の高いものだ。
靖国問題や歴史観などについて、同僚に積極的に語るようになり、空自幹部向けの部内誌には自身の歴史観を度々投稿。「今こそ正しい歴史観を持って、部下の指導に当たってほしい」と書き、部下に向けては論文と同じような内容を「訓話」する。
くだんの懸賞論文にも、前例のない「異例中の異例。ちょっと理解できない」(自衛隊元幹部)ことがあった。航空自衛隊の中枢、航空幕僚監部が投稿を呼びかけるFAXを、2度にわたってすべての部隊に送り、2度も投稿を呼びかけていたという。
こうした背景には何があったのか。政府見解を公然と否定するような与党政治家に影響され、心強く思っていた、のかもしれないらしい。次は、「危険人物」は自分だけじゃない、だから自分は「危険人物」などとは言えない、という論文でも書くのだろうか。
ボンド柳生
*NHKクローズアップ現代(2008年12月9日放送)