2024年 4月 28日 (日)

シロアリ界の「ハゲタカ」が日本を襲う

   その名を「アメリカ カンザイ シロアリ」という。カンザイは乾材の意。アメリカから入ってきたシロアリである。この外来種がもたらす深刻な住宅被害が今夜のテーマ。スタジオゲストの吉村剛・京都大学生存圏研究所准教授によると、現在の被害は、明らかになっただけで全国88か所、1万件に及ぶ。

費用は800万円以上

   日本で最初に見つかったのは1976年、東京・江戸川区で、輸入木材から発見された。その後、神戸、横須賀、川崎などアメリカからの輸入物を扱う海岸地帯を中心に広がり、ここにきて全国的に勢力範囲を拡大、被害の訴えも増えているという。33年もかかって被害が顕在化した理由について、吉村准教授は、以下の3つをあげる。

(1)日本にもともと生息しているヤマトシロアリに比べて集団が小さく(ヤマト=数万匹、アメリカ=数百匹)、エサ(木)を食べる量も少ない(ヤマトの3分の1~5分の1)。そのため、被害の進行が遅い
(2)最近の住宅が温かく快適になってきて1年中、エサを食べられる
(3) 海外の木材製品がたくさん日本に入ってくるようになった

   ちなみに、ヤマトシロアリは湿った場所でしか生きられず、床下周辺に巣をつくるだけだが、アメリカカンザイシロアリは乾燥していればどこにでも巣をつくる。天井、梁、柱、窓枠、家具と、あらゆる所に出没する。8年間に渡って、家のあちこちを食い荒され、その都度、駆除を繰り返してきた女性は「いつまでたってもという感じで、がっかりしてしまう」と力を落す。女性が掛けた費用は800万円以上だという。

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