漁船とスーパー直接交渉 市場関係者の戸惑い
2009.01.21 18:26
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市場での流通尊重を、と要望書
しかし、中抜きされる地元市場の仲卸業者や、小売鮮魚店にはまさに死活問題。直接取引があった日、松江水産物地方卸売市場では、ちょうど時化も重なり、市場への入荷量が激減したという。
「商売あがったりで困りますね。朝から(商品が)何もないから」(仲卸業者)。地元の鮮魚店店主は今後、直接取引が拡大することを警戒し、「地元の魚が地元で売れない。消えてしまうことになりかねないのが一番心配」と語る。仲買業者たちの全国団体は市場での流通を尊重するよう、国に要望書を提出。
漁業者のなかにも、地元の販売ルートが弱体化したあとでイオンが撤退したり、他の産地に切り替えられた場合どうなるのか、と懸念を表明する向きもあるという。「新流通」の規模のわりに波紋は大きく広がっている。
ボンド柳生
* NHKクローズアップ現代(2009年1月20日放送)