2024年 5月 17日 (金)

「米国取材」国谷キャスター 「人種差別は克服されたのか」

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「富の配分は圧倒的に白人」

   ノースカロライナ州シャーロット市は、是正政策で市中心部の住宅再開発をして、黒人・白人の融和に成功していた。市はさらに学校も、地域や人種ではなく所得水準で分けて、融和を進めていたのだが、通学時間がかかる子どもが出て問題になり、裁判所は違法という判決を出した。

   是正措置は本来ないほうがいい。だれもが、理屈ではわかる。しかし、これらは逆戻りではないのか? 国谷は、人種問題に詳しいプリンストン大学のポール・スター教授に聞いた。

   教授は、「いま廃止するのは正しいとは思わない。是正策は過渡期の措置だが、いまでも役割を果たしている」として、ミシェル・オバマ夫人を例に挙げた。

   「入学の経緯(是正制度かどうか)は知らないが、彼女はここの学生で、成績優秀でハーバードのロー・スクールに進んだ。大学がいまの彼女をつくった。制度は中間層の形成に役立っている。オバマ大統領の誕生も成果なのだ」と。

   「では、差別は克服されたのか」と国谷。

   スター教授は、「まだだ。貧困と不平等が残っている。失業は黒人が多く、富の配分は圧倒的に白人だ。オバマ誕生だけでは取り除けない。何年もかかる」という。そして、オバマのなすべきことを、「大統領の職務で成功すること。成功すれば、対立を和らげるあらゆる可能性が生まれる」と明快だった。

   オバマ大統領は、長い長い道のりの、ほんの一歩を踏み出したにすぎないことがよくわかる。

ヤンヤン

*NHKクローズアップ現代(2009年1月22日放送)

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