2024年 4月 30日 (火)

麻生首相の「苦境」伝える 1番うまい見出しはコレ

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文春「麻生太郎の『店じまいセール』」

   さらに、今回の騒動は、鳩山を応援する読売新聞と、財界、西川応援団の日経新聞の代理戦争だというのだ。

   その証拠に、鳩山辞任当日の日経新聞は、朝刊で「首相、西川続投で調整」といち早く報じ、夕刊の締め切りが過ぎていた時点で決まったはずの大臣後任人事を、夕刊で「後任、佐藤勉氏で調整」と打ったのだ。

   読売の渡辺恒雄氏の初仕事は、初代自民党総裁の鳩山一郎の番記者だった。鳩山邸で、幼い鳩山兄弟を背中に乗せて走る「馬」になったこともあるそうだ。

   次のページは、「日本郵政西川善文社長は『正義』に反する」。それ以外にも、「気をつけろ! 再び検察が民主党を狙っている!」と書き、朝日の山口編集長は、民主党の応援団の立場を鮮明にしたようだ。

   新潮は、「自民党『下野前夜』物語」として、ワイドを組んでいるが、目新しい話はない。文春は、「総力取材 鳩山更迭の夜、寿司屋借り切りで上キゲン! 余命1ヶ月の麻生首相」。この特集のタイトルよりも、都議選の候補者を巡礼して回る麻生首相のにやけ顔を撮って、見出しに「麻生太郎の『店じまいセール』」と付けた。うまい!

   気になるのは、ここでも上杉隆氏を起用して「読売vs日経メディアウォーズ」を書いてもらっているのだが、あれあれ、これでは、朝日と同じではないか。

   上杉氏はフリーのジャーナリストだから、求められればどの媒体でも書くのは仕方ないとしても、編集者は、朝日を読んでいないのかね。彼ほどのライターなら、違うテーマでも十分書けるネタをもっているはずなのだから。

   今週の注目記事は、現代の「直撃 足利事件 冤罪を作った『警察官・検事・裁判官』の実名」と、同じ内容だが、朝日の「菅家さんを『抹殺した』警察・検察・裁判官」の2本。

   裁判はこれからだから、完全な「冤罪」と決まったわけではないが、菅家さんを、卑劣な取り調べで自白させ、未熟なDNA鑑定を根拠に、無期懲役に処した連中はどんな人間だったのか。彼らはいま何を思っているのか。問題提起としては、意味のある記事だと思う。ぜひご一読を。

  

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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