2024年 4月 27日 (土)

軍隊は民の邪魔か命綱か アフガン支援新しい形

   <テレビウォッチ>治安が急速に悪化しているアフガニスタン。その混迷の地で、5月から外国の軍隊に守られて2人の政府関係者が復興支援に取り組み始めた。

   縮小する「文民」だけの復興支援に代わって、「軍民一体」による復興支援に日本で初めて乗り出したのだ。ただ、それには懸念の声も強い。

リトアニア軍と日本

   番組は、J ICA(国際協力機構)の緒方貞子理事長をゲストに迎え、地元や国際社会からの強い要望にこたえて進めてきたアフガニスタン復興支援の在り方について探った。

   今回、『軍民一体』の復興支援要員として政府から派遣だれたのは、外務省職員の石崎妃早子と宮澤治郎の2人。

   長引く戦乱で復興から取り残された地域の1つ、中部のチャグチャラン郊外のマデラサ村。電気もなければ水もない。当然、校舎もなくカンカン照りの強い日差しの中で勉強する子供たちの「せめて太陽の下で勉強しないようにしてほしい」と訴える声を受け入れ今、学校作りに励んでいる。2人を守るのはリトアニア軍を中心とした200人の部隊だ。

   これまで、アフガニスタンの復興支援は2001年からJICAやNGOが積極的に行ってきた。

   道路や空港の建設1万人にのぼる教師の育成、失業者の職業訓練など。この8年間に派遣した日本人スタッフは2000人にのぼる。

   しかし、タリバンが勢力を盛り返すとともに治安が急速に悪化。JICAのアフガニスタン事務所職員も70人から40人に縮小。さらに今後スタッフ10人を減らすなど活動の見直しを迫られている。

   そうした中で『軍民一体』の復興支援に初めて参画することになったわけだが、実はこの形での復興支援は03年から行われ、すでに米独など14か国が26の地域で進められている。

   ブッシュ政権から日本に話があったのは昨年のサミット前。このときは、物資の輸送手段として自衛隊のヘリの派遣要請だった。

   しかし、戦闘地域に武器の使用が認められていない自衛隊派遣は難しい。出した答えが『軍民一体』の新しい形の支援だった。

   政府は今後、この形での支援を増やす考えというのだが、軍隊と一緒になった復興支援についてはJICAやNGOから厳しい意見が出ている。

   「軍民一体では住民の信頼が得られない」というのだ。戦闘に無関係な住民が誤爆により死亡する事件が相次ぎ、不満が募っているのだという。

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