「肝臓みたいな解毒作用」もつ雑草 広がる「除草剤が効かない」
2009.09.08 16:00
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植物使った総合防除
アメリカが深刻なのは、遺伝子組み換え作物と除草剤がセットで考えられていることだ。大豆は91%、トウモロコシは85%が遺伝子組み換えだ。遺伝子組み換えをリードするモンサント社では、「ひとつの除草剤を過信していたかもしれない。しかし。克服できる」という。
だが、米南東部で、この5年間に2800倍に広がった。また、カリフォルニアでは、4種類の除草剤が効かない「タイマビエ」という雑草ができていた。
つくば市の中央農業総合研究センターではいま、植物を使った総合防除に取り組んでいる。例えば、トウモロコシの間にクローバーをまくと、根が横に広がるので、雑草を抑えることができる。
伊藤教授は、「適地適作で、土地に合った品種栽培が大事。アメリカのように何万haという広大な面積で、1種類だけを繰り返し使うと、抵抗性のあるものが生き残る可能性が高くなるのは当然」といった。
また「カリフォルニアのタイマビエは、人間の肝臓みたいな解毒作用をそなえてしまった」という指摘は恐ろしい。
日本もアメリカも、形こそ異なれ、本来の農業の形には戻れない状況になっている。農薬や除草剤が、そうさせてきたといってもいい。「スーパー雑草の逆襲」は、まさしくSFの世界だ。
ヤンヤン
*NHKクローズアップ現代(2009年9月7日放送)