2024年 4月 26日 (金)

鳩山夫妻の略奪婚問題 「今さら」なのか「火だね」か

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   ついに鳩山新政権が船出したが、2001年の小泉政権発足時のような浮ついた高揚感はない。ひな壇に並んだ閣僚たちにも笑顔はないが、決意を秘めた一人ひとりの顔が頼もしく見えるのは、こちらも政権交代の余韻が醒めやらぬせいだからか。

千葉新法相と指揮権発動

   危惧された、小沢一郎幹事長の押しつけ人事も、予想外に少なかったようだ。藤井裕久氏の財務大臣起用に反対していたといわれていたが、すんなり通った。

   だが、岡田幹事長留任を画策した「反小沢グループ」の野田佳彦幹事長代理など6人は1人も閣僚にしなかったなど、小沢氏の影響力が全くなかったわけではない。

   私が注目していたのは法相人事だったが、弁護士出身で旧社会党の元祖マドンナ、参院4期目のベテラン千葉景子氏に決まった。

   彼女は就任会見で、死刑廃止議員連盟のメンバーであることを明らかにし、死刑執行については「職責を踏まえて慎重に判断したい」と語った。

    彼女は、改正国籍法(未婚の日本人の父と外国人の母との間に生まれた子どもの国籍取得要件から両親の結婚を外し、父親が認知すれば国籍が取れるようにした)成立にも力を尽くした人権派だ。民主党が公約している「取り調べの可視化」をどう進めるかも注目だが、小沢幹事長の西松建設問題や、鳩山首相の故人献金問題で、検察が強硬姿勢に出てきたらどうするのか?

   これに対する答えなのだろう。会見でズバリこういい放った。「法相の検事総長への指揮権の発動については『国民の視点に立って、検察の暴走をチェックする点から対処していく』」。千葉法相、小沢、鳩山VS.検察「暗闘」の行方はどうなるのか、注目である。

   選挙が終わって、各週刊誌の民主党との距離感の違いが出てきた。現代、朝日は、しばらく民主党に寄り添って生きていこうという編集方針のようだ。

   ポストは、民主党には寄り添うが、小沢幹事長には批判的なスタンスでいく。今週も、内容的には温いが「小沢一郎『新政権支配』全相関図」とタイトルをうって、「うちは小沢批判でいくよ」という姿勢を明確にしている。

新潮と文春で元夫語る

   世の中が民主党万歳でいくなら、こっちは裏道から鳩山首相を揺さぶってやれというのが新潮と文春。鳩山氏の夫人、幸さんの前夫の告発を取り上げたのは「女性セブン」が早かったが、こちらはねちっこく、昔話を蒸し返している。

   「鳩山幸元夫・田浦新一朗氏が実名告発 私を裏切った由紀夫くんと幸へ」(文春)、「在米の元夫がぶちまける『鳩山新総理夫妻』が犯した35年前の原罪『略奪婚』」(新潮)

   もはや耳にたこができるほど聞かされた話だが、しばしお付き合い願いたい。

   田浦氏は現在72歳。サンフランシスコの有名日本料理店「蝶々」を経営していて、アマンドの社長だった滝原健之氏に、宝塚を退団していた幸さんを紹介され、結婚した。

   3年ほど過ぎた頃、やはり滝原氏の紹介で、鳩山由紀夫氏と会い、スタンフォード大学に留学中の彼の面倒を見ていた。そこから田浦夫人だった幸さんと鳩山氏が急接近して、2人で手に手を取って駆け落ちとなる。

   その後、何の連絡もないまま過ぎた。2人が結婚するとき、鳩山氏の母親安子さんが、詫びに来ただけだったという。

   要は、世話になった男の女房を寝取ったまま、何の挨拶もないアンモラルで不人情な人間に、一国の総理は務まらないと告発しているのだ。

   鳩山新総理を多くの国民が支持しているのは、宇宙人だといわれようと、言語明瞭、意味不明瞭であろうとも、夫婦仲良く、清新なイメージを持たれているからだろう。

   特に、幸夫人に対する主婦層の支持は大きいはずだが、こうした略奪婚問題や、「故人」献金問題で、十分な説明責任が果たせなければ、あっという間に、気まぐれな主婦層は離れていく。

   私の知人のライターは、先週から北海道の室蘭へ入って、過去の女性問題や不透明な献金が他にもないか調べている。

   千丈の堤も蟻の一穴を以って潰ゆ。鳩山政権が、週刊誌お得意のスキャンダルの洗礼を受けて耐えられるのか。日本では、新政権発足後100日間のメディアとのハネムーン期間はない。目に見える成果が先か、スキャンダルが火を噴くのが先か。いよいよ本番である。


元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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