武士の魂でハリウッドへ 迫真VFX映像のテクと根性
2009.11.19 18:59
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このこだわり「やっぱり日本人」
3か月間、様々な角度から撮ったナイヤガラ瀑布の映像を見続けた結果、ナイヤガラ瀑布を小さな滝に分割し、その組み合わせで巨大で見事な滝を作った。それが評価され、アカデミー科学技術賞の受賞となった。
そして今回の『2012』。VFX制作を指揮するテクニカル・ディレクターになった坂口に監督が指示したのは「世界中を破壊せよ」だった。
「あり得ないスケールの破壊。やばいと思いつつ、よっしゃ、これは面白い」
で、もっとも力を注いだのは、地震で地元ロスが崩壊するシーンという。わずか2秒間のカットだが、25人が半年がかりで、実際に現地を調べ道路のゆがみや鉄骨の曲がり具合、ヤシの葉が1枚1枚落ちるところまで表現した。
現実に起こっていない虚構の世界を起こっているように描く。薄皮1枚のところまで近づけるにはきめ細かさが必要なのだろう。
スタジオに生主演した映画評論家、おすぎが絶賛した。
「今回は本当に画期的ですね。新しい仕事に日本人が入って行き、やったのもすごい。細かいところまでこだわるのもやっぱり日本人。欧米人はあそこまでこだわらない。そのこだわりを追及した結果、リアル以上に感じることができる」
そしてもうひとつ。キャスターの国谷裕子は注目したのは「ハリウッドは人の能力を見てくれる、育ててくれる。日本でチャンスがないなら外へ出てやってみようという気になりますね~」と。
ただ、そのチャンスを掴むのも、まずは先立つものがあってのこと。そこが、どうしても立ちふさがる高い壁に……
モンブラン
* NHKクローズアップ現代(2009年11月18日放送)