「若者の言語力」崩壊 携帯メール犯人説と対策
2009.11.27 15:48
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「話す場」が不足
スタジオには、小論文の普及や言語力の向上に努めている立教大学大学院の鳥飼玖美子教授が生出演。
国谷裕子キャスターの「学生の方たちに接して言語力の低下をどう実感されていますか?」に、鳥飼教授は次のように答えた。
「学生たちは話すのが面倒、進んで説明するのがかったるいというような傾向がある。将来どうなるのかな~と。
一方で、もっと心配しているのは小学生の言葉のいじめ。言葉を使って人間関係を構築するということを知らない。だから言葉で思わず傷つけてしまったり、傷ついてしまったり。
幼稚園とか小学校で、言葉を使って人と人との関係を築くことを学ばせることが大事」
そこで国谷が「1番大事なことが欠けていると思われることは何ですか?」に、鳥飼教授は「今の子どもが話す意欲を持てないのは大人の責任……自分の考えを話す場が不足している」と次のように言う。
「21世紀は、理路整然と子供が話すと理屈っぽい子ねとか、阿吽の呼吸とか沈黙は金とか言っていられない時代。大人が聞く耳を持てば、子どもも話す意欲がわいてくる」
来年6月開催されるサッカーのワールドカップ。日本サッカー協会が最近力を入れているのが言語力の強化だという。
予選全敗の結果に終わった06年大会の敗因を分析したレポートで指摘されたのが、試合中、仲間に自分の考えを伝える能力の不足だった。果たして間に合うかどうか??
大人が言語力の低下を克服するのは簡単ではなさそう。初めに言葉ありきで、せめて子どもたちの言語力向上を願って、大人が子どもたちの話に耳を傾ける場を持ってあげることから始めよう……
モンブラン
*NHKクローズアップ現代(2009年11月25日放送)