裁判員制で判決に変化 婦女暴行に厳罰傾向
2009.11.27 15:48
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「保護観察」が増加
もう1つは「保護観察」の増加で、執行猶予14人のうち11人につけられたという。山口で、寝たきりの妻を13年間1人で介護し、無理心中を図ったが果たせず10日間のケガを負わせて殺人未遂に問われた夫(64)は、執行猶予の判決で保護観察がついた。保護司などが定期的に面会し、被告の立ち直りを支援することになる。裁判員を務めた会社社長(58)は「更生を考えた場合、周囲の支えが必要と感じた」と述べる。
こうした傾向について青木教授は「裁判員は地域住民の代表みたいなところがある。被告が地域社会へ戻ってくるとき、今後どうなるんだろうかということに関心がフォーカスされている印象を受ける」と語る。
最後に、国谷から、裁判員制度が社会に及ぼす影響を尋ねられた教授は「司法というまぎれもない国家権力の行使する営みの中に一般の人の感覚が入ってくる。画期的なこと」と答えた。その上で、「裁判員の、特殊な、重い、意義のある体験が社会の中にフィードバックされて行く、そういうサイクルが始まろうとしている」と結んだ。
裁判員裁判制度を推進した法曹関係者にとっては、番組内容は喜ばしいものだったに違いない。思いのほか真摯に取り組んでいる市民たちの姿が描かれていた。
アレマ
*NHKクローズアップ現代(2009年11月26日放送)