美少女と地産地消 経済動かす力と知恵
追いかける「雲」はない
また、若者の大都市流出に歯止めがかかる存在にもなっている。
モデルになった女性は、東京の大企業で働くことを夢見ていたが、今では「いろいろな人と知り合いになって、新潟だっていいじゃん。新潟で生きることが幸せかなと、思うようになった」という。
新潟で創刊して丸7年。今では、頭に都市名をつけた『〇〇美少女図鑑』が北は札幌から南は沖縄まで43都市ごとに発行されているという。創刊元の広告デザイン会社が各都市の法人と提携し、発行しているのだというから驚く。
このアイデアをもとに先月、山口県の法人も形を変えた『山口KIDS図鑑』の創刊を発表している。
で、キャスターの国谷裕子が「地元の人たちが自分たちで価値をつくり上げていくというのは、とても勇気づけられますね」と。
これにゲスト出演した三菱総研の小宮山宏理事長は「実は今日初めて知ったのですが、非常に面白いですね」と前置きし次のような捉え方を……
「日本の今の時代というものを反映していると思う。日本は明治以来、欧米を見ながらきた。東京のモデルを見て自分のファッションを考え、東京では欧米を見ながら考えた。これが逆ですよね。自分たちの特徴を生かしてやっていこうと。ヤング・イノベーションですよ。これが今の日本に1番必要なことだと思う。明治以来、産業をつくれば幸せになれるというモデルでやってきた。NHKの『坂の上の雲』。あの坂の上に見えた白い雲は先進国のもので、ここにもう入ってしまった。雲はもうないんですよ」
頭が肥大化した分、中身は脆弱、ボロボロ。口先だけ機智に富んだ東京では、まずこうした起爆剤になるようなアイデアは出てこない。
土の中に手を突っ込み木の根っこを探るような努力と工夫から生まれる本当のアイデアは、地方からか……
モンブラン
* NHKクローズアップ現代(2010年1月6日放送)