子ども手当てをあざ笑う? アメリカ産業政策と日本の空洞化
2010.04.06 16:29
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日本は優先順位も決められず…
「このままでは取り残される」と経済産業省の危機感は強い。アメリカ政府が電気自動車関連産業に出している補助金のリストに、日本の戸田工業の名があった。30億円を得てアメリカに工場を作るという。リチウムイオン電池の材料づくりで、世界的な技術をもっている。
同社は一昨年の2008年、国内で工場建設を計画したが、建設費を調達できずに断念していた。アメリカ政府は補助金で、まんまと先端技術をもつ日本企業を引き寄せたことになる。経産省は、アメリカのリストからこれを知ったのだ。
経産省の働きかけで、環境関連の設備投資に総額で300億円の補助金が出ることになり、戸田工業も加わっているが、長期戦略のアメリカとは違って、一時的な支援策にすぎない。問われているのはまさにここだろう。
国谷裕子は「日本の企業がアメリカの補助金をうけて? 国全体が脆弱になっているのでは?」
深川教授は「アメリカは明確な目標をもって、ベストの企業を呼び込んでいる。日本はグローバル化で相対的に大国でなくなっているのに、その意識がない。だから、優先順位も決められず、選択も集中もできず、スピードにもついていけない。しかし、イノベーションの余地、アイデアはおおいにある」というのだが……。
企業はさすが実業を生き、動いていることはわかった。が、政府の無策は何なのか? 新政権も子ども手当やら何やらの話ばかり。長期戦略など望むべくもない。次回は人材争奪戦の現場から。これも見ておきたい。
ヤンヤン
*NHKクローズアップ現代(2010年4月5日放送)