12年連続3万人超…自殺の実態浮かび上がらせた2つの調査
2010.07.19 18:00
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東京・足立区は自殺対策保健師
分析データをもとに自殺リスクの高い人たちに積極的にアプローチして、救済しようという活動が自治体で始まっている。東京・足立区。08年の自殺者が都内で最も多く、とくに30代の無職男性の自殺は前年の3倍に達した。
そこで、今年4月から全国でも珍しい自殺対策を専門に行う保健師を任命、7月からはこの保健師が中心になって区民向けの健康診断で心の状態をチェックする作業も始まっている。
「自殺に追い込まれる人たちには、複合的、社会的要因が一人ひとりにある。さらに社会的要因にアプローチしないといけないのではないですか?」
キャスターの国谷裕子が秋田で自殺対策に取り組んでいる本橋豊・秋田大教授に聞いた。
「地域で自殺対策を進めることにより、(ある程度は)自殺者数を減少させることはできます。ただ、ウツになる前の段階の社会的要因に対してきちんと対応を取らないと、ウツになる方の割合は変わらないことも調査で分かっています。社会的要因一つひとつに対応していくことが今の日本で大切と思いますね」
年間3万人を超える自殺者が続いている社会・経済を変えていかないと、自殺者減少はむずかしいということである。
*NHKクローズアップ現代(2010年7月14日放送「動きはじめた自殺対策~実態調査が命を救う~」)