「民主代表選」面従腹背、支持者圧力…何でもありだった新人議員獲得の舞台裏

   菅首相の勝利で終わった民主党代表選をクローズアップ現代も取り上げた。「密着 民主党代表選」と題したが、実際は「焦点は新人議員」と番組中の見出しにあったように、密着したのは民主党の新人議員たちである。タイトルは「新人議員の政権選択」とでもしたほうが適当だったかもしれない。

どちらにもリスク

   番組によれば、代表選の緒戦から地方議員、党員・サポーター票では有利と目された菅にとって、最大の課題は411人の国会議員票。とりわけ、小沢前幹事長が指揮した昨年の衆院選で当選してきた143人の新人議員の取り込み、または切り崩しであった。これらの議員は小沢の息がかかった、いや(それはNHK的表現ではない)、「小沢の影響力が強い」と見られていた。

   といって、小沢様の引き立てで当選できたのだから、生涯の忠誠とご奉公をお誓い申す――などという前時代的な感覚の持ち主ばかりではない。さてどちらにしようかと悩む(少なくとも表向きは)新人議員も少なくなかったようだ。

   今井雅人衆院議員は2人の政策を紙に書き出して比較した。

「難しい。どちらにもリスクがあるので、すんなり決められない」

   小沢支持を打ち出した橘秀徳衆院議員は、地元の支持者から厳しい意見を浴びせられた。

「(小沢の)おカネの問題は納得できない」「1年で首相が2人も3人も代わるようじゃダメだ」

   本人は「(小沢支持で)支援者を失い、次の選挙で負ける恐怖感はあるが、政治家として取るべき道を取っていきたい」と勇ましく語るが、小沢支持がなぜ政治家として取るべき道なのかは、少なくとも放送ではほとんどオープンではなかった。

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