特産品ハンターが探す「日本にはまだまだうまいもんが隠れてる」
2010.09.28 16:00
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節約疲れで「ちょっと贅沢な野菜や果実」
日本総研の三輪泰史主任研究員はこう分析する。
「消費者の節約疲れ。ちょっとした贅沢だが、これまで肉以外には、贅沢の対象になるものがなかった。それがいま野菜にまで広がった。ハンターは見つけるだけでなく、ブラッシュアップする」
会津若松のハンター、本多勝之助さんは、経産省が地域の特産品を売るために募集した「地域プロデューサー」だ。ブランド米や希少リンゴのジュースで実績をあげている。
福島産の豚肉を県外で売りたいという業者の相談に乗った。沖縄の「プロデューサー」と連携して酢豚を作った。沖縄のパイナップルは薄めた海水を使った独特の栽培で、甘さと塩味が混ざり合った「塩パイン」と呼ぶ。これを醤油を使わず、塩と酢で味付けした。レストラン・ チェーンの客に試食してもらったところ好評で、近くメニューに乗る。
三輪さんはこれを「地産地消プラスアルファだ」という。「他の地域のものを入れて新たな価値を作り出す。特産品ハンターは消費者目線を持った農家の味方なんです」
「B級グルメ」や「秘密のケンミンSHOW」などを見ても、日本の食は奥が深く、地域の味は多彩だ。逆に、都会では「ファーストフード」や「コンビニ」で味の画一化が進む。ハンターたちはこれに風穴をあけることになるのだろうか。ちょっと期待したくなる話だった。
ヤンヤン
*NHKクローズアップ現代(2010年9月27日放送「『うまいもん』を探せ!特産品ハンター」)