2024年 5月 4日 (土)

「『もしドラ』より100倍有益でおもしろい」 小気味良い必読書評はコレだ

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落語界の明るいニュース

   中には、日本が世界の命運を握っている技術もある。それが「炭素繊維」だそうだ。軽くて強度のあるアクリル繊維を原料とする炭素繊維のシェアの8割近くを日本が持っており、米ボーイング社が10年に市場に出した最新鋭の旅客機やスポーツカーなどのボディにも使われている。

   年間外国人観光客が約135万人訪れる秋葉原での売れ筋も、最近変化が起きている。海外仕様の炊飯器、日本の化粧品、磁気ネックレス、ピップエレキバンなどが売れているそうだ。

   批判するばかりで、評価したり励ましたりすることがないといわれてきた週刊誌だが、このようなニッポンガンバレ企画は、読者からどう評価されるのだろうか。

   他の注目記事。文春の「2010年ビジネス書『ベストセラー』をブッタ斬る」は、評論家・勢古浩爾氏が、売れているビジネス書を片っ端からこき下ろしているのが小気味いい。白鳥春彦編訳『超訳 ニーチェの言葉』を、意味不明のまま売れてしまった納豆本と同じだとし、齋藤孝『15分あれば喫茶店に入りなさい』を、いい加減な本だと斬って捨てる。

   渡邉美樹『きみはなぜ働くか。――渡邉美樹が贈る88の言葉』は、修身の教科書を読んだようで心が逆に冷え、後に何も残らない。ちなみに、彼がこれはと思う3冊をあげているが、その中の三枝匡『戦略プロフェッショナル』がよさそうだ。「実際例のプロセスと戦略理論が『論理性』と『熱き心』で結びつけられており、読み出したらとまらない」(勢古氏)。『もしドラ』の百倍有益でおもしろいと保証している。読んでみてはいかがだろう。

   蛇足だが、昨夜の「読売ホール」に立川談志師匠が出演して、約1年ぶりに落語を一席語った。出し物は「へっつい幽霊」。ビールと睡眠薬のやり過ぎで体調をこわし、のどの病気で声が出にくいため、09年12月に上野の鰻屋で語って以来、舞台に出てもジョークしかやらなかった師匠だが、このところ体調のほうは見違える程よくなってきてはいた。

   だが声のほうは相変わらずで、私たちも、一席まるごと聞くのは無理かもしれないと思っていたのだが、昨夜突然、「へっつい」を語り始め、下げまでやったのである。談志ファンならずとも、落語界にとっても久しぶりの朗報である。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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