エジプト民主化混迷-若者グループ分裂、イスラム原理主義台頭、軍介入の懸念
2011.05.20 16:09
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9月の議会選挙も実施できるかどうか
アラブ世界最大の新聞「アル・アハラム紙」のヤヒヤ・ガーネム副編集主幹はエジプトの今後をこう見る。
「革命後の混乱のかなで、今でも危機的状況が続いています。ほとんどの人々は自分たちが達成したことがどれほど画期的で、どれほど重要なものを手に入れたか十分理解していない。これが混乱が止まらない理由の一つだと考えています。しかも、人々は間違った方向に動き出しているように見える。過剰なまでの変化や改革を求めるようになって混乱が返って深まっている。軍の最高評議会は『国民が選んだ議会に早く手渡したい』と表明していますが、最悪のシナリオは軍が本格的に介入して、軍による支配が確立してしまうことです。そうなれば独裁政治に後戻りしてしまう」
民主化への試金石は9月の議会選挙だが、ヤヒヤ副編集主幹によると、「選挙がおこなわれるかどうかも疑わしい」という。民主化革命は「まだ始まったばかり」だというのだ。
モンブラン
*NHKクローズアップ現代(2011年5月18日放送「混迷エジプト 民主化の行方は」)