2024年 5月 1日 (水)

再び福島原発は爆発する―NY市大教授「極論」の説得力

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「いつかは正常に戻る」という根拠のない話

   同じ現代に、原発のこれからについての「極論」が載っている。東電の工程表通りに原発事故の収束などできないことが明らかになってきたが、それどころではない、再爆発があるかもしれないから備えろと、全米の著名な理論物理学者ミチオ・カク教授(ニューヨーク市立大学)がインタビューで話している。カク教授は、福島第一原発はいつ状態が悪化してもおかしくない時限爆弾で、彼が考える最悪のシナリオはこうなる。

「仮に巨大余震に襲われて敷地内のパイプやタンクが壊れたとしましょう。その時点で大量の高濃度汚染水が溢れ出し、放射能レベルは一気に上がる。作業員は全員避難せざるをえない。そこから原発事故は悪化の一途をたどるのです。原子炉内には水が絶えず注入されていないと、すぐ干上がってしまう。しかし、原子炉の破損がよりいっそうひどくなれば、壊れたカップに水を注ぐようなもので、いくら注いでも水はさっと流れ出す。そうなると炉心溶融が再開し、再び爆発が起こる」

   カク教授は福島第一原発が最悪の事態にまでいかなかったのは「奇跡」だったという。これからは、原発からの撤退を段階的にしていくのはもちろん、東海大地震の予想震源域に建つ浜岡原発は一刻も早く運転を永久停止するべきだとする。少なくとも、避難している福島の人たちがもと住んでいた家に帰れることはないとも語る。

「日本政府は『いつかは正常に戻る』という根拠のない話をしていますが、問題は福島に正常化などはないということです。本当のことを伝えなくてはいけない。さもなければ今後、現実を知らされたとき、人々はパニックに陥る」

   福島原発の事故は、収束までにおそらく50年から100年はかかるだろうと予測している。ならば、福島に住む人たちを、放射能汚染の少ない地域へ「疎開」させることを決断する時期は早ければ早いほどいいはずだ。こうして見ると、菅直人が首相の座にしがみつく永田町三文芝居は、放射能汚染の深刻な実態から国民の目を逸らせるための大芝居のような気もしてくるのだが。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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