2024年 5月 3日 (金)

アフリカ・南スーダン独立―石油利権からみ米中駆け引き

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日本の「地道な援助」どう評価されるか

   インフラ整備などのほかに、火タネも山積している。1つは南部に集中する石油資源。産業のない南スーダンの唯一の財源だが、石油利権を手放したくない北部との間で争いがくすぶり続けている。これまでは、採掘された原油を北部に送り、北部からは精製された石油製品の供給を受けていたが、この春に北部バシール政権に供給をトップされてしまった。

   さらに、5月にはまだ帰属が決まっていない南北境界線にあるアビエイ地区の油田地帯に北部軍が侵攻し武力衝突に発展、7万人以上の住民が避難を強いられた。いずれも独立する南部を牽制し、石油収入の分配で優位に立というとする北部の狙いがあると見られている。

   一方、多くの部族で成り立っている新国家だけに、部族間の対立が表面化し、一部で衝突も起きているという。軍や政府の要職を占める多数派の部族に対し、他の部族が反発し始めたというのだ。

   「新たな火ダネも抱え、今後の国づくりの課題は?」と国谷裕子キャスターが東大大学院教授の藤原帰一に聞いた。

「これまで北という共通の敵を相手に団結できた。これから一つの政府をつくるとなると主導権争いがどうしても出てくる。
その中で、中国が原油確保で北の政府に接近、アメリカもイスラム急進派への警戒から南の独立政府に急接近している。両国が北との火ダネを収束する役割を果たすことができるかが目下の関心事だ」

   日本との関係はどうなのか。藤原教授は「日本も北と南に経済援助をしており重要な国だ。南では中心的ではないところでの地道な支援が成果を上げている」という。

   どこまで評価されるか分からないが、得意としてきた経済援助で繋ぎをとろうというわけか…。

NHKクローズアップ現代(2011年7月6日放送「独立・南スーダン 問われる国づくり」)

モンブラン

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