2024年 4月 27日 (土)

小出裕章・京大助教に「放射能煽り批判」どう見てるか聞いてみた!

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「低線量でも人体には必ず影響がある」(小出助教)

   私は7月13日(2011年)に、大阪・熊取にある京都大学原子炉実験所に小出裕章助教を訪ねた。小出氏はかつて平和利用の原発に憧れを抱き、大学で原子核工学を学んだ。だがその後、原発の危険性に気がつき、原子力の現場に踏みとどまり、反原発の先頭に立っている人で、ポストが批判している危険を煽る「教祖」のひとりである。

   福島第一原発の現状について聞きに行ったのだが、せっかくだから、ポストの記事を見せ、感想を聞かせてくれと頼んだ。小出氏の主張は一貫している。低線量でも人体には必ず影響がある。どんなにわずかな被曝でも、放射線がDNAを含めた分子結合を切断・破壊する現象が起こることは、これまで放射線の影響を調べてきた国際的な研究グループが認めている。

   さらに、1時間当たり3・8マイクロシーベルト(年間20ミリシーベルト)というのは正気を疑わざるをえない高い被曝量で、これは原発作業員が白血病を発症した場合に労災認定を受けられるレベルである。しかし、時間を戻せない以上、私たち大人は放射線によって汚れてしまった環境の中で、汚染された食べ物を食べながら生きるしかない。目をつぶらず、危険をはっきりと見ながら、目を見開いて食べてほしいと話す。

   だが、と小出氏は続ける。放射線への感度が高い子どもたち、原発に何の責任のない子どもたちには安全なものを食べさせてほしいし、できれば即刻、放射線量の少ないところへ避難させてあげてほしいと語った。「浪費で生じた危機をさらなる浪費で乗り切ることはできない」という言葉が印象に残った。福島第一原発事故収束のめどはつかず、これから大量の放射線に取り囲まれて生きていかなくてはいけない。原発事故がわれわれに与えた教訓は、エネルギーを湯水のごとく浪費する生活を今すぐに変えなければいけないということである。

   私は彼の言葉に大きく頷き、広大な緑に囲まれた実験所を後にした。これがポストの記事に対する私の感想である。

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