2024年 4月 19日 (金)

瑛太と満島ひかり悲しい…逃げられない「少女殺害」犯人家族と被害者家族

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   <それでも、生きてゆく(フジテレビ系木曜よる10時)>タイトルが示しているように、とっても重い話である。犯罪被害者の家族と加害者の家族。しかも、その犯罪は、中学生の少年が7歳の女の子を金ヅチで殺して湖に投げ込んだというもの。聞くだに心が真っ暗になり、いたたまれない気持ちになる。

   子供が子供を(過失致死でなく)殺すという事件は時々報道される。だから、このドラマのような家族は何組もいるわけだ。たとえば14年前、私たちを震撼させた「酒鬼薔薇事件」。あれは私の心から消そうとしても消えることはない。まして当事者たちは事件後の1日1日をどうやって生きているのだろう。

   子供が子供を殺した事件の家族をテーマとしたドラマでは「アイシテル-海容-」(2009年・日本テレビ系、稲森いずみ主演)があるが、正攻法の「アイシテル」に対して、こちらは若い男女の切ない関係を配し、ニュアンスのある作りになっている。

少年はなぜ女の子を殺したのか

   2つの家族の苦悩は、被害者の女の子の兄・洋貴(瑛太)と加害者の少年の妹・双葉(満島ひかり)を中心に描かれる。いまどきの若者の陰を表現できる瑛太と、存在そのものがどこか痛々しさを感じさせる満島ひかり。

   この2人をはじめ、双方の母(大竹しのぶ、風吹ジュン)や弟妹(田中圭、福田麻由子)との微妙にズレたやりとりがフッと空気を緩ませ、かえってそれが現実感をもたらしている。とくに、被害者の母の大竹しのぶは日常性の中に狂う寸前まで押し殺している激情を感じさせ、こわいほどだ。謝りに来た犯人の家族にソーメンやスイカを出してしまうところなど秀逸。

   優しい性格だった少年・文哉(風間俊介)は、なぜ女の子を殺したのか。どうしてもその謎が知りたくなる。文哉の「あの子は天国に行ったんだ。生まれてこない方がよかったんだから」とはどういう意味なのか。ますます深まる謎に目が離せない。

   舞台となっている自然とバックに流れる辻井伸行の音楽の美しさに救われる。

文   カモノ・ハシ
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