2024年 4月 27日 (土)

安愚楽牧場被害7万人まったくメド立たない出資金回収

飼育委託農家も「酪農続けていけない」

   倒産による被害は消費者だけではない。畜産農家にも広がっている。安愚楽牧場から牛を預かって育ててきた300軒余りの畜産農家からは、もう廃業するしかないと悲鳴が上がる。北海道で140頭の牛を預かっていた酪農家・大原則行さんは、「牛の回収が始まっている。回収されれば収入の道はなくなり、酪農は続けていけない」と窮状を訴えた。酪農家を取材した岩田宗太郎記者(NHK宇都宮局)は「(安愚楽牧場が保有する)140万頭すべてを回収することは困難です。これだけ多数の牛の面倒をどう見るのかが問題になっています」と伝える。

   国谷は「この酪農家の現状をどう考えればいいのでしょう」と、ゲストのグルメ漫画「美味しんぼ」の作家・雁屋哲に問う。

「酪農家の多くが自分では牛を飼えない状況に追い込まれています。国内で消費される牛肉の半分は海外からのもので、しかも牛肉の値段は下がっています。また、欧米の畜産技術と比べて、日本が遅れているという面もあります。消費者の嗜好の問題もあり、牛肉なら霜降り(さし)が一番という根強い神話がある。赤身でも美味しい牛肉があるのに。日本の畜産をこれからどうするのか、みんなで考える必要があります」

   安愚楽牧場は黒毛和牛のシェア20%を占めると見られる。

NHKクローズアップ現代(2011年11月7日放送「黒毛和牛オーナー 7万人の悲鳴」)

文・ナオジン

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