2019年 7月 22日 (月)

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大御所・吉本隆明「反原発は素人論理。科学は押し戻せない」のすり替え

   「週刊新潮」は大御所・吉本隆明2時間インタビュー。日本の思想界を常にリードしてきた本物の「知の巨人」が、日本に漂う反原発に異を唱えるというのだから読まざるをえまい。巨人は以前から原発容認だったらしい。今回の福島第一原発事故以来、原発を中止せよという声が高まっているが、それは乱暴な素人の論理だと断じる。

「今回、改めて根底から問われなくてはいけないのは、人類が積み上げてきた科学の成果を一度の事故で放棄していいのか、ということなんです」

と宣い、徒に恐怖感から文明が生み出した原子力という文明を水泡に帰してしまうのは、「人間が猿から別れて発達し、今日まで行ってきた営みを否定することと同じなんです」と熱く説く。

   われわれが今すべきことは原発を止めてしまうことではなく、完璧に近いほどの放射線に対する防御策を改めて講じることで、新型の原子炉を開発するのと同じぐらいの金をかけて、放射線を防ぐ技術を開発するしかないとおっしゃる。

   かのアインシュタイン先生まで持ちだし、彼ほどの科学者でさえ原爆を開発することに賛成しながら、被害の大きさにショックを受け態度を翻したように、結果をとことんまで想定できていたのか疑わしい。だから常に人間は新技術を開発する過程で危険極まりないものをつくってしまうという大矛盾を抱えているのだ。

「しかし、それでも科学技術や知識というものはいったん手に入れたら元に押し戻すことはできない。どんなに危なく退廃的であっても否定することはできないのです。それ以上のものを作ったり考え出すしか道はない」(吉本氏)

   吉本先生の言に一理あることは認めるが、今問われている問題をすり替えているような気がしてならない。原子力を平和利用しようという科学を全否定しているのではない。しかし、自分たちの利益を「原子力ムラ」で独り占めし、徹底的な安全対策を怠り、マスコミを抱き込んで「安全神話」をでっち上げてきたために、こうした重大事故を起こしてしまったのだ。現在の「原子力ムラ」には、吉本氏のいうような徹底した安全の確保にお金を使おうという考えの事業者や技術者がどれだけいるのか、はなはだ疑わしい。官僚に至ってはゼロではないか。

   文明を否定しているのではない。原子力の平和利用という技術は研究し続ければいい。だが、今ある原発の多くは安全性に疑問がつくだけに、停止するべきだというのが多くの穏健な反核、反原発派の考え方なのではないのか。合併号あけに吉本氏への反論がどのように出てくるのか楽しみにしていたい。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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