エジプト大統領選「アラブの春」の主役・若者に出番なし
2012.05.25 15:24
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主要産業の観光落ち込み激しく経済成長ゼロ
エジプトの実情に詳しい日大国際関係学部の横田貴之准教授に、国谷弘子キャスターが「旧体制で首相を務めたシャフィーク氏が支持を伸ばしているのはどういうことですか」と聞く。
「私も驚いているが、今のエジプトが抱える問題に治安と経済がある。治安は革命後に非常に悪化したが、その影響を受けて経済の落ち込みが激しい。そうした中で治安を回復してくれるシャフィーク氏に期待が集まっていると言える」
革命前に4~7%あった経済成長率が今はゼロ。とくに落ち込みが激しいのは、GDPの15~20%を占める観光業で、革命前に比べ30%も落ち込んでいるという。
国谷「ムルシ氏はイスラム色の強い国づくりを公約に掲げているが…」
横田「同胞団は段階的なイスラム化を唱えており、政権を取ったとしても直ぐにはイスラム化は考えにくい」
大統領選が終われば新憲法の制定が待っている。国家と宗教の関係や大統領と軍の役割をどこまで制限するかなどが争点になっており、だれが大統領になっても新憲法制定は一筋縄ではいきそうもない。29日に今回の投票結果が発表され、過半数を得る候補がいなければ上位2人による決選投票が6月16、17日に行われる。
モンブラン
*NHKクローズアップ現代(2012年5月23日放送「『アラブの春』はどこへ~揺れるエジプト大統領選~」)