被災地農地に植物工場―塩害・放射性物質の影響受けず野菜栽培

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   東日本大震災で、津波の大きな被害を受けた宮城県名取市。カメラが、元農地が広大な空き地になっている様子を映したあと、巨大ビニールハウスのような一群を捉える。これが1800坪の植物工場で、チンゲン菜などを栽培しているという。

   東日本大震災で津波の被害を受けた農地は2万ヘクタールあり、まだ3割ほどしか復旧してない。塩水による塩害が懸念されるほか、原発事故の影響で耕作できない土地もある。そんななか、被災地で植物工場を建てる動きが広まっている。植物工場という言葉の響きがどうかという問題はさておき、土は使わず水で野菜を育てるので、海水による塩害の影響はない。温度やらなにやらも人手でコントロールして1年中安定して作物を作れるのだという。

ネックは多額の建設資金と販売価格の割高

   福島県南相馬市は補助金を使って植物工場を推進している。理由は「放射性物質に勝てる」(農林放射線対策課)からだという。土に放射性物質が含まれていても、植物工場なら影響がない。

   ゲストの農業経済学が専門の生源寺眞一・名古屋大学教授によれば、植物工場は以前から農業界や食品業界で注目される存在だったが、建設には多額の資金がかかり、初期投資がかさむのがネックになっている。被災地では行政が補助金などを出していることが建設の後押しになっているという。

   もうひとつの大きな問題は商品をどう売るか。工場野菜は路地やハウス野菜よりも割高だ。しかし質・量の安定性が高いことから、一般消費者に売るルートより食品加工や外食産業といった販売ルートが有望で、こうした相手とあらかじめ長期契約を結べば、コストも削減し割高状態も軽減されるはずという。

ボンド柳生

NHKクローズアップ現代(2012年6月12日放送「もうかる農業を目指せ 被災地農家の挑戦」

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