2024年 4月 20日 (土)

大阪・西成の女医「さっちゃん先生」怪死―3年目でようやく両親の告訴状受理

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   大阪・西成で2009年、医師の矢島祥子さん(当時34)が水死体で発見された事件できのう22日(2012年8月)、捜査を求める両親の告訴状を警察が受理した。これまで警察は「自殺だ」として捜査に動かなかった。3年近い歳月を乗り越えられるだろうか。

不審な点いくつも指摘されながら警察署は自殺と断定

   突然姿を消したのは09年11月14日だった。2日後、木津川の船着き場付近で見つかった。西成署は「溺死。過労による自殺の可能性が高い」として処理した。両親が指摘したいくつかの不審な点も調べようとはしなかった。

   父の祥吉さん(68)と母の晶子さん(67)はともに医師だ。「娘は自殺なんかしない。何者かに殺害された」として警察に捜査を求めたが、聞き入れてもらえなかった。祥吉さんは「忙しい、忙しいといわれて、忙しかったら不審な点を見なくてもいいんですかと」という。両親は自分たちで不審点を調査して被疑者不詳のまま、殺人と死体遺棄で西成署に告訴状を提出して受理された。晶子さんは「やっと祥子が望んでいた日が来たというのが実感」と話す。

   なぞはいくつもあった。(1)後頭部にコブがあった。警察は「遺体を引き上げる時にぶつけた」と説明したが、コブは生きているときしかできない。(2)携帯電話はズボンのポケットにあった。失踪から遺体発見までの間、携帯電話は呼び出し音が鳴った。自殺なら水に浸かっていたはず。(3)現場検証で、自宅の部屋に本人の指紋がなくホコリもなかった。発見された自転車にも指紋がなかった。(4)そして何よりも自殺する理由がなかった。

「西成のマザーテレサ」自分の金で注射してやったり、ごはん食べさせてやったりしてた

   高村智庸リポーターの取材にある患者は、「自分の金で注射してやったり、ごはん食べさせてやったり、世界一や。こんな先生いない。給料は半分もないだろ。患者にやっちゃう」と答えていた。祥子さんも「貧しく孤独な人たちと共に生き、助けていこう」「過酷な人生を生きてきた方々が、せめて最後は穏やかに過ごしてほしい」という信念で充実した日々を送っていた。あいりん地区の住民は「わしらから言わせると、西成警察署はおかしい。あの先生が自殺なぞ考えられん」と話す。

   母の晶子さんも「生き生きした目をして楽しそうにしていた」と語る。その一念で元警察官の協力を得て告訴状に至った。「泳ぎが得意だったなど、要件もクリアしてない。殺人事件ですよ」と元警察官は言う。警察も昨年6月には正式に捜査すると表明もしていたが、捜査ははたしてできるのだろうか。証拠 や証言はとれるのだろうか。

   松尾貴史(タレント)「素人でもこれを聞いたらおかしいなと思う。忙しいから捜査しなかったとなると、スキャンダルになるのではないか」

   司会の羽鳥慎一「両親がお医者さんだからわかったこともあるんですね」

   テレビ朝日ディレクターの玉川徹「警察はわかっているはずなのに、なぜ見逃したのか。捜査をしたくない理由でもあったか」

   松尾「犯人の逃走を幇助したことにもなる。断った人と受理した人は別なんでしょうが、この人のことを知っていれば自殺の線は出てこない」

   高村「その前に、死体が出たら殺人事件を疑わないといけないものでしょう」

   警察がおかしくなったのはきのう今日じゃないってこと。

文   ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト
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