2024年 5月 7日 (火)

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阪神電鉄社員を脅し賺しで服従させた「連続変死」角田美代子の猟奇的性格

   兵庫県尼崎市の連続変死事件もワイドショーが連日やっているが、不可解で理解しがたいものである。今のところ3遺体が発見されたが、行方不明者は7人になるといわれている。

   その事件の重要人物が角田美代子被告(64)という女性である。角田の猟奇的人格が露見したのは、昨年に事件化した「コンクリート詰め死体遺棄」だった。この遺体は大江和子さん(当時66)で、彼女を長期にわたって虐待死亡させたのは和子さんの長女・香愛(44)と次女・裕美(41)、裕美の元夫・川村博之(42)で、虐待を指示したのが角田だというのだ。

   他人である角田に対して、なぜ大江一家は隷属関係に置かれたのか。文春によると、「川村が最初の接点。09年春、当時阪神電鉄に勤務していた川村に『ベビーカーがドアに挟まれた』と角田がクレームを付けた。その際、いとこの李正則(38・和子さんの死体遺棄罪で受刑中)を同席させ、『この子はずっとヤクザやってたんや。怒らせたら何するかわからん』と威嚇。

   一方、誠実な対応を感謝するなど脅したり賺したりしながら、川村を次第に支配下に置いたらしい。会社を辞めさせ、一昨年からアパートに住まわせた。その間、川村は李に何度も殴られ、公判で『逆らえなかった』と述べている。一千万弱の退職金の一部も角田の手に渡ったようだ」(司法担当記者)

   川村は和子さんを殺し、コンクリート詰めにして海に捨てたと遺書を書いて自殺しろといわれ、車で海に突っ込もうとしたところを県警に発見され、逮捕された。

   角田は大江家が持っている一軒家をわがものにしようとして、邪魔な和子さんを殺したようだが、全容はまだ解明されたわけではない。それにしても、一人の中年女にいいようにされ、殺人まで犯すとは、人間というのは何と弱いものだろう。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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