2024年 5月 7日 (火)

バーで1日の終わり…男は癒しを求め、女は出会いを求めている

糖の吸収を抑える、腸の環境を整える富士フイルムのサプリ!

「ママのドジ」がうれしくてしょうがないカウンターのおじさん2人

   先日、久しぶりに銀座のバーに連れて行ってもらった。止まり木にはサラリーマンのおやじが2人。次第に酔いが回ってくると、とろんとした目でカウンターのママを見つめている。その目は、どこか母親に甘える子供のようでもあるし、美人にただ見とれているようでもある。

   そんな彼らが見つめているママといえば、客が見ていてもわかるほど少々おっちょこちょいなようだ。客に出すグラスを探して、腰を扉にぶつけたり、カウンターの中に入るときにつまずいたりと、なにやらバタバタしている。その様子を見てイライラしていたのは、女性2人で入った私たちだけだった。おじさんたちは「おい、大丈夫か」なんて娘を見守るように声をかけている。

   そのうち店内のBGMを替えようとしたとき、年季もののCDコンポの調子が悪く、どうにも新しいCDが再生されない。もうこうなるとおじさんたちは狂喜乱舞。「ちょっと、そっち行って見てあげようか」「本当にドジだなぁ。しょうがない娘だ」とママをからかいだす。

   カウンターの下で靴をこっそり脱いで足先にぶらぶらと掲げていた女2人は、これかぁとため息をつく。なんだか危なっかしくて、おれがついていないと彼女はダメなんだと思わせるテクニックだ。

   重い荷物を平気ですからと持ったり、自分でなんとかしますからといって一人で頑張るのが、人に迷惑をかけないということだと思っていた。でも、それは興味を持ってもらえないという迷惑を人に与えているのかもしれない。かまってほしいと男性に思わせる仕草をどのシーンで使うのか。その計算すらもできていない私たちに、バーボンのロックがしみてくる。

   ママにかまっていた彼らは、終電間際にバタバタと帰って行った。その背中はどこか未練が感じられた。きっと彼らは癒しを得られただろう。靴の疲れは全快しないけれど、女は痛みをこらえてやってくると、こうしたことを知れることもできた。

モジョっこ

姉妹サイト

注目情報

PR
追悼
J-CASTニュースをフォローして
最新情報をチェック
電子書籍 フジ三太郎とサトウサンペイ 好評発売中