2024年 5月 19日 (日)

勘三郎も描いた歌舞伎絵「鳥居派9代目」男社会で唯ひとりの女絵師

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父の後を継いで30年74歳…悩みは「後継者になる弟子がいない」

「女には歌舞伎絵を継がせない」

   そんな掟を承知しながら、絵が好きで東京芸大で日本画を学んだ。ところが、後継ぎのはずの兄が映画界入り、後継ぎ問題が浮上した。「私が後を継げなくても、誰かに鳥居派の歌舞伎絵を伝えていかねば…」という危機感から、父親の仕事を手伝うようになった。「あんな武骨の手からこんなきれいな線が描けるなんて、まるで魔法の手のように思いましたね」と父親の絵を絶賛する。

   そんなときに予期せぬ出来事が起きた。父親の死だ。「まだ修行半ばで、一緒に死んだように思った。私の人生は終わったと感じた」と話す。しかし、「このままでは歌舞伎絵も鳥居派も終わってしまう」。そんな思いで父親や祖父の作品を手本に修行を再開したという。それから6年。努力が実って作品が高い評価を受けるようになり、ようやく9代目を継いだ。

   9代目の持論は「天才ではない努力。女性にできないことはない。きちんと仕事をしていれば認められる」だという。コメンテーターの高木美保(女優)は「努力できる人が天才なのでしょう」と感想をもらす。

   ただ、9代目には悩みがある。後継者になる弟子がいないことだ。歌舞伎絵一筋に打ち込んできた情熱はすごい。その情熱で後継者を探し育てて欲しい。ほぼ1時間に及ぶ演目を1枚の大看板に凝縮し、ファンを歌舞伎の世界に誘う。あの大看板も大事な歌舞伎舞台の大道具なのだから…。

文   モンブラン| 似顔絵 池田マコト
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