2024年 5月 4日 (土)

米国、タイに殺到する「卵子提供」日本人の申し込みでゴールデンウィーク予約いっぱい

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拒絶反応・免疫反応で早産の確率1・5倍

   こうした現状を、慶大学医学部産婦人科の吉村泰典教授は「厚生労働省の調査で、2004年から08年までは卵子提供は分娩1万件に1例だったが、09年以降は2.7件になっています。10年 間に2、3倍になった」と見る。

   一方で、高齢になってからの卵子提供のリスクも明らかになってきている。東京・港区の愛育病院で4年前、49歳の女性が妊娠高血圧症候群を発症した。子宮からの出血が止まらず大量の輸血で切り抜けた。あらためて体外受精の出産例を調べた結果、自分の卵子の場合と卵子提供では、早産の確率が29%対46%と1.5倍の差があった。また、卵子提供では癒着胎盤のリスクも高まる。卵子が他人のものなので、拒絶反応・免疫反応があるらしい。愛育病院では以来、卵子提供の妊婦にはきめ細かいケアをしている。

   卵子提供には出産後の課題もある。子どもに事実をどう伝えるかだ。韓国で卵子提供を受け、男の子を授かった夫婦は幸せな日々を送っているが、妻(46)は子の成長につれて不安を抱く。「いずれDNAが簡単にわかるときがくる。子どもが知る前に告知するべきか」と揺れる。

   吉村教授は「高齢になると卵子提供のリスクは高まります。高血圧症は3倍、 糖尿病は8倍。また双子など多胎も多くなります。これらを知ったうえで、医療者、妊婦、 社会全体が立ち向かうべき問題です」という。

   結婚年齢が高くなっているうえに、子どもを育て難い環境が少子高齢化をさらに進めている。「やっぱり子どもがほしい」と思ったときにはもう遅いのか。それでは悲し過ぎるではないか。

ヤンヤン

NHKクローズアップ現代(2013年1月10日放送「急増 卵子提供」)

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